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作者からのメッセージ

アカとアオという作品を作っている中で、ストーリーはもちろんですが、何を伝えたいのか?ということを強く意識しました。ウチの子たちはまだ4歳と1歳なので、この絵本にこめた意味やメッセージはよくわからないと思いますが、いつか大きくなって読み直してくれた時に、この後書きを読んでもらいたいと思っています。

この作品を通して一番伝えたかったことは、相手のことを思いやることが何よりも大切、というメッセージです。

ただ、この物語のいくつかのシーンには、もう少し踏み込んだ思いがあります。いつか自分の子どもたちがこれを読んだときに、父親が何を考えながら書いたのかを知ってもらえればと思っています。

地すべりと大洪水を目の前にして、アカは初めて自分の力を使って、村人たちの役に立とうと行動する。なかよくなってほしいから、笑顔で近づいてきてほしいから、というように見返りを求めるのではなく、純粋に相手のために、自分ができることをやろうと決意する。人との付き合いの根幹はこういうところにあるはずだ。テクニックや要領の良さとは違う、もっと本質的な部分で相手と通じ合った時に、本当の意味での信頼関係が生まれるのだと思う。

しかし、力を使って石を金(きん)に変え続けた代償は大きい。金を渡す代わりに仲良くなってもらうという見返りを求める行動には大きなリスクが伴う。アオはアカを見守る立場として、その代償を払う決断をする。起きてしまった事象に対する対処をしつつ、将来につながるメッセージをアカに伝える。

この物語のキーパーソンであるシロは、金(きん)の存在を完全否定していないことも付け加えておきたい。適切な量であればうまく活用することができる。しかし、適量を超えて欲望のまま求め続けた時、そこには、大きなリスクが発生する。

リスクには二種類ある。勇気を持ってチャレンジする価値のあるリスクと、負の連鎖が導く回避すべきリスクだ。自分の目の前にあるのがどちらのリスクかを見極めて、前に進んでいってほしい。

シロの存在は、調和とバランスの大切さを象徴している。モノを使う方法と心を使う方法、二回までのメリットと三回以上使った時に生じるリスク、友達になりたいアカと金を欲しがる人間、山の怒りと水の神様の助け、大きなわざわいとその代償などが、対比の例としてあげられる。善悪のようにどちらか一方を否定するのではなく、相反するものの間でうまくバランスを取りながら調和を保つことが大切だと思う。

金を求めてアカに近づいてきた村人たちは欲望の象徴だが、最初に金をもらうおばあさんが金によって心の平安を得たのも事実。アカも最初は「金を渡せばきっと喜んでくれる」という純粋な気持ちだったはず。それがなんらかの形でおばあさんに伝わったからこそ、最後のシーンで最初に手伝い始めたのだ。

アカは金を渡し続ける過程で、「喜んでもらいたい」という純粋な気持ちを忘れ、「金と引き換えに友達になってもらう」という見返りを求め始める。また金をもらい続けた村人たちも、アカのようにただ金がほしいだけでアカに近づいてきたはずで、そこには信頼関係も真の友情もない。そこにあるのは単なる乾いた取引関係だけだ。

そして最後のシーン。

アオを失った悲しみを背負いながらも、自分が村人たちのためにできることを行動に移す。アカの見返りを求めない無償の行動が、村人たちの心に変化を与える。アカは最後に本当にほしかったものを手に入れた。大切な人を失った悲しみをかみしめながらも、心の中に残るアオの言葉を支えに…

この経験から大切なことを学んだアカは内面的に大きく成長したと言えるだろう。

アカが望むものを手に入れるにあたって、アオの死は必然ではないということは言っておきたい。アカがどこかで金に変えることをやめていたら、地すべりは起きなかったし、純粋に友達になりたいという思いを持ち続けて、正しく行動していれば、村人たちと仲良くなれたはず。自分がアカの立場だったらどうするか?きっといろんなやり方があると思う。しかし、欲望を追い求めたことで生まれたリスクに対して、調和とバランスをとるためにはアオの死は必然になってしまったのだ。

アオはアカの兄だが親のような存在でもある。いつも見守ってくれていて、時には厳しいことも言う。そして何か問題が起きたときは、自分も当事者となって解決するために全力を尽くす。子を持つ親として、自分もこうありたいと思う。

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